ホアキン・フェニックスが人生をかけた名作「 ジョーカー-Joker-(2019)」の感想とレビュー
今までは、存在してないも同じだった
\ひとことレビュー/
ジョーカーを演じたホアキン・フェニックスの演技にスルスル引き込まれて、シリアスな作品ながらあっという間に観終えた印象です。切なくてどうしようもない心の葛藤が心苦しかった…。
同情せずにはいられない、迫真の演技
最近のアメリカ映画でよくみる格差社会を切り取った風刺的な側面も、監督の意図するところではないらしいですが無視せずにはいられない。切なく悲しくじわじわと闇落ちしていく姿は同情せずにはいられませんでした。
格差の最底辺に生きる者にとって自己責任論は机上の空論でしかない。恵まれないことを言い訳に闇落ちを容認わけでは決してないけれど、人がなぜあちら側(犯罪を犯したりすること)に渡ってしまうのか、なぜ抜け出せないのか、そのプロセスは映画や小説でこうして表現するほかなかなか伝えるすべはないのかもしれない。
現代ニューヨークを昭和80年代頃の荒廃した雰囲気にもっていき、みごとゴッサムシティに作り変えたスタッフのこだわり、執念、プロの仕事には脱帽。もう一度くらいみなきゃ。
ジョーカーとは
ジョーカーといえば、おなじみバットマンの悪役です。
誕生の経緯は本作が正解というわけではなく、ティム・バートン監督が手掛けた1989年公開「バットマン」では、“化学薬品の溶液に落下して異様な姿と力を得る”ことで、一人の男がジョーカーに変貌する様子が描かれていて、一般的にはこちらがジョーカー誕生の経緯として有名なんだそうです。それに対し、本作はよりリアリティのあるストーリーなので、観る人の共鳴を呼びやすいかもしれないですね。
数々の賞を受賞!
そして、本作はアカデミー賞、ゴールデングローブ賞をともに受賞しています。
- アカデミー主演男優賞
- アカデミー作曲賞
- GG主演男優賞(ドラマ部門)
- GG作曲賞
とにもかくにも、主演のホアキン・フェニックスが凄まじいですね。撮影開始3ヶ月前には80kg以上あった体重を「1日をりんご1個と少量の野菜のみで過ごす」過酷な食量制限によって58kgまで減量した、らしいですよ。恐るべし役者魂。
映画「ジョーカー」の概要
「どんな時も笑顔で人々を楽しませなさい」という母の言葉を胸にコメディアンを夢見る、孤独だが心優しいアーサー。都会の片隅でピエロメイクの大道芸人をしながら母を助け、同じアパートに住むソフィーに秘かな好意を抱いている。笑いのある人生は素晴らしいと信じ、ドン底から抜け出そうともがくアーサーはなぜ、狂気溢れる悪のカリスマジョーカーに変貌したのか? 切なくも衝撃の真実が明かされる!
予告トレーラー
Infomation
原題:Joker
製作国:アメリカ
製作年:2019年
監督:トッド・フィリップス
脚本:トッド・フィリップス、スコット・シルヴァー
音楽:ヒドゥル・グドナドッティル
Cast
- ホアキン・フェニックス
- ロバート・デ・ニーロ
- サジ・ビーツ
- フランセス・コンロイ
- マーク・マロン
- ブレット・カレン ほか