どう生きるのが正解なんだろう?「 グリーンブック-Green Book-(2018)」の感想とレビュー
人の心を変えられると信じている
\ひとことレビュー/
黒人であること以外にも性的マイノリティ、階級による分断も抱えている孤独をトニーが気づき、静かに車に戻っていくシーンは、セリフやリアクションに頼らずとも伝わってくる言葉にできない思い。もうわたしの稚拙な語彙力では100分の1も伝えられないんですよ、だから観てください、ホントに。
暴力は敗北だ。
アカデミー賞受賞作ということで気軽な気持ちでレンタルしたものの、5点満点つける羽目になった素晴らしい作品との出会いに!ゲオセールありがとう(^^)/
男の友情物に弱いんですよ。「最強のふたり」とかも大好きだし。
黒人という理由であからさまな差別にじっと耐えるドン・シャーリー、「暴力は敗北だ。品位を忘れないことで勝利したい」という信念は、こちらも実話をベースにしている映画「大統領の執事の涙」の主人公セシルと通ずるものを感じました。セシルも、ホワイトハウスという最高権力の側近でその社会が変化することを暴力に訴えるのではない方法で静かに待ち望んでいました。(対照的に息子の方はデモや暴力で差別に対抗してましたね。)
何より驚いたのは運転手役トニーを演じたヴィゴ・モーテンセンが、あのロードオブザリングのアラゴルン役の人ってことー!!全然違う人やん!体重14kg増量されたそうなんでかなりがっしりいかつめイタリアンがしっくり、性格も大雑把だけど男前でめちゃくちゃかっこよかったー!!
余談ですけどロードオブザリング1作目もう20年前(2021年時点)なんですね。驚き。
そして天才ピアニスト、ドンシャーリーを演じたマハーシャラ・アリは、「ムーンライト」で主人公の父親的存在フアン役だった人。調べるまで全く気づかなかったですw 麻薬王の次は育ちのいいピアニスト。あ〜ほんと俳優さんってすごいな〜❤️
グリーンブックとは?
タイトル「グリーンブック」とは当時実際にあった”黒人が泊まれるホテル”の案内ガイドだそうです。言い方を変えれば「黒人が泊まれないホテルがあった」ことでもある。そんなものがあったなんて驚きです…。
ストーリーの中の露骨な差別にも、日本に生まれ育った私には実感が乏しく、腹立たしくて悲しい。でも、そうした歴史の側面を体感できることは映画の素晴らしさであり、有難いことです。
ホテルの男が「個人的な差別ではなく土地の習わしなんだ」って言い訳もムカつきましたよ、でもそうして現代でも私たちだって知らぬ間に”常識”や”慣習”を隠れ蓑に「違和感」から目を逸らしてることがあるのかもあるのかもしれない。
雨の中でドンシャーリーが叫ぶとこは見せ場ですね。黒人であること以外にも性的マイノリティでもあり、階級による分断も抱えている孤独。それにトニーが気づき、言葉をかけずに静かに車に戻っていくシーンは、セリフやリアクションに頼らずとも伝わってくる言葉にできない思い。もうわたしの稚拙な語彙力では100分の1も伝えられないんですよ、だから観てください、ホントに。とにかく男の友情に弱いんです!(2回目)
ん?女の友情?…それ、食べれるの?
「 グリーンブック」の概要
時は1962年、ニューヨークの一流ナイトクラブ、コパカバーナで用心棒を務めるトニー・リップは、ガサツで無学だが、腕っぷしとハッタリで家族や周囲に頼りにされていた。ある日、トニーは、黒人ピアニストの運転手としてスカウトされる。彼の名前はドクター・シャーリー、カーネギーホールを住処とし、ホワイトハウスでも演奏したほどの天才は、なぜか差別の色濃い南部での演奏ツアーを目論んでいた。二人は、<黒人用旅行ガイド=グリーンブック>を頼りに、出発するのだが─。
予告トレーラー
Infomation
原題:Green Book
製作国:アメリカ
製作年:2018年
監督:ピーター・ファレリー
脚本:ニック・ヴァレロンガ、ピーター・ファレリー、ブライアン・クリー
Cast
- ヴィゴ・モーテンセン
- マハーシャラ・アリ
- リンダ・カーデリーニ
- ドン・スターク
- セバスティアン・マニスカルコ
- P・J・バーン
- ブライアン・ステパニック ほか