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アカデミー受賞したカオスな世界へいざ!『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』(2022)の感想とレビュー

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス
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Everything Everywhere All at Once
ようこそ、最先端のカオスへ
『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』

ネタバレなしの感想

2023年度アカデミーを総なめにしたエブエブ、映画館にて鑑賞(^^)

カオスへようこそーーー
まるでジェットコースターに乗っているような疾走感のある混沌の世界観の中、B級コメディをこれでもかってシモネタとともに投入しつつ、カンフーアクションは本格的で力強く骨太さを感じさせ、軸は夫婦関係と親子の絆をしっかりと描いている、まさにアカデミーで脚本賞を受賞したことも納得の、この多様な要素をよくもここまでまとめあげるなぁ、とひたすら感心しながらの鑑賞だった!

アカデミー主演女優賞を受賞したミシェル・ヨーはいわずもがな、助演男優賞、女優賞を共に受賞したキー・ホイ・クァン、ジェイミー・リー・カーティス両人とも、人格が入れ替わるという複雑な役柄を見事に演じており、さすが!と納得の安定した演技。

監督たちがチラリ出演してたり、タイタニックを思わせるオマージュ的なシーンがあったり(あったよね?)、ちょいちょい映画好きを楽しませる要素も含まれてて、2回、3回と観るのもいいかも。

エヴリンとジョイの親子関係は、自分も年頃の娘がいるせいか妙に感情移入してしまい涙がホロッ。さらに夫婦関係でも、もしも夫と一緒にいることを選ばなかったらどうなっていたか、もう一つの人生を垣間見てもなお、最終的には今の人生をどう生きるのか、あるものをどう受け入れていくのか、ぶっ飛んだ内容の映画にも関わらず、なかなか自分の人生を回想するような部分も多かったなあ。

まじでハチャメチャなんだけど、まさにジェットコースターを乗り終えた後のような謎の達成感というかカタルシスが襲ってくる不思議おもしろ映画でした!

監督について

この作品は通称ダニエルズと呼ばれる、2人の監督ダニエル・クワンとダニエル・シャイナートが務めています。

2人は近年注目されている映画監督です。これまでは『スウィス・アーミーマン』や『サード・マン』などの作品で知られています。彼らは、独創的で常識にとらわれない映像表現とストーリーテリングで、多くの人々から称賛されています。しかし、彼らの成功の秘訣は何なのでしょうか?

クワンとシャイナートは共に大学で映画を専攻していた頃に出会い、卒業後、映画製作会社の「ダニエルズ・スタジオ」を設立。そこで多くの短編映画を製作しました。その後、彼らは、独創的な長編映画『スウィス・アーミーマン』を製作し、世界中から高い評価を得ました。

彼らの作品の特徴は、常識にとらわれない映像表現で知られています。エブエブもそのとおりですが、『スウィス・アーミーマン』では、死んだ人間の死体を操作する男性の物語が描かれています。とはいえ内容はコメディタッチの作品で、とても愉快なものとなってます。

彼らの作品では、俳優の演技も優れています。『ある日、アミと呼ばれる男』では、ポール・ダノが主人公を演じ、その演技が高く評価されました。彼らは、俳優と一緒に、テイク数を最小限にするために、細かい指示を出したり、自身が役を演じたりすることもあるそうです。

アカデミー賞を総なめ!

本作は、第95回(2023年度)アカデミー賞を総なめにしました。

その受賞数、何と作品賞をはじめ主要8部門中6部門を受賞アカデミー史上初の快挙となりました。

受賞したのは、作品賞、監督賞、主演女優賞、助演男優賞、助演女優賞、脚本賞です。ノミネートだけだとそれ以上の数に作品名を連ねました。

また、ミシェル・ヨーの主演女優受賞はアジア人初の快挙でもあります。アカデミー賞がよりグローバルに多様化していくことを示唆したといえます。

↓アカデミー賞の受賞&ノミネート全部門について記事をかいてます!

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第95回(2023)アカデミー賞受賞 結果まとめ
第95回(2023)アカデミー賞受賞 結果まとめ

ストーリーについて

破産寸前のコインランドリーを経営する中国系アメリカ人のエブリン。国税庁の監査官に厳しい追及を受ける彼女は、仕事にも私生活にも疲れ果てていました。

夫との関係はいまいちで、年頃の娘も何を考えてるのかいまいちわかりません。毎日をひたすら忙しなく送る日々でした。

そんな時、突然、ふだん気の弱い夫・ウェイモンドが別人のようになり、何やら意味不明なことを言い出します。しかも、僕は君の夫じゃない、別人だ…とも。

そこから言われるがままいくつもの並行世界(マルチバース)にトリップすることに!
「全宇宙に悪がはびこっている。止められるのは君しかいない」と告げられ、マルチバースに蔓延る悪と戦うべく立ち上がるのですが…。

『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』

ネタバレありの感想

※ご注意ください。
この先はネタバレ要素を含みます。

マルチバースの世界は、もしも自分が人生で別の選択をしていたらどうなっていたかを視覚化できる世界。この世界のエブリンが選ばなかった選択肢の世界を生きている”自分”たちは、どれもそれなりに成功しているように見えます。

全ての選択肢で”ハズレ”を引いてきたのがこの世界のエブリン。破産寸前のコインランドリー経営とうまくいかない家族関係、毎日やることが山積みで全く余裕のない人生を歩んでいます。

だけど、マルチバースで成功している自分の隣には夫ウェイモンドはいないし、娘もいない。うまくいってない人生に思えるけど、他に世界にはないものを実は持っている自分に気づきます。

「唯足るを知る」という言葉がふと頭をよぎったけど、まさにそんな感じだった。人生は選択の連続で、正解や不正解で未来が決まることもあるかもしれないけど、実はそんなに単純なものでもないでしょう。

人生が充実しているかどうかは、外的要因だけでなくもっと内なるものーー自分の意識や考え方ひとつで変わることができるものでもあります。宇宙は無限大ーーってセリフがあったように、それは自分の中にある可能性のことについても言ってるのかなぁ、なんて思いました(^^)

『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』概要

予告トレーラー

Infomation

原題:Everything Everywhere All at Once
製作国:アメリカ
製作年:2022年
監督:ダニエル・クワン、ダニエル・シャイナート
脚本:ダニエル・クワン、ダニエル・シャイナート

Cast

  • ミシェル・ヨー
  • キー・ホイ・クァン(ジョナサン・キー)
  • ステファニー・スー
  • ジェイミー・リー・カーティス
  • ジェームズ・ホン
  • アンディー・ル ほか

『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』に関するグッズ

映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』ポスター

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス エブエブアイズシール

評価・レビュー

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